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読切! ナゾトキ(ミステリーもどき) 1話完結 「5分で読める自作短編小説ブログトーナメント」3位

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 俺は大富豪の屋敷の中の、一番小さな部屋に全員を呼び出した。

「犯人はこの中にいます。昨夜、夜中に峰山氏に毒入りのワインを飲ませて殺した犯人が」

 俺の言葉に、一同はざわつき、驚いた表情でお互いを見回した。

「やっぱり、お前だろう! 親父の財産目当てに近づき、子どもを作って結婚を迫ったんだ!」

 峰山の長男の秀一が、峰山の再婚相手である京子に詰め寄った。

「そんな……私じゃありません!」
「財産目当てでもなければ、若い女が30も年の離れたじじいと結婚するはずがない! そのガキだって本当に親父の子かどうか」
「私は本当にあの人を愛してました! この子は、優子は、あの人の子です!」

 まだ3歳の幼子である優子は、こんな状況下でも床に座り込んで一人で楽しそうに遊んでいる。

「兄さん、やめなさいよ」

 口を挟んだのは秀一の妹の由美だった。

「兄さんこそ、株で失敗して資金繰りに困ってるんでしょ。私、知ってるのよ」
「そ、それは……。お前こそ、いい年してホスト遊びを繰り返してるくせに!」

 そろそろ時間だ。あと5分ほどで、コンセントに設置した小型の時限爆弾がこの部屋全体を爆破する。
 峰山の弁護士として雇われた俺は、部屋が爆発する前にここから出て、峰山の財産を全てもらっていく。金庫の番号は生前に峰山から聞き出していた。

「先生! 犯人は誰なんですか!? どうせこの女なんでしょう!?」

 秀一が京子を指差し、イラついた様子で訊ねた。

「それを言う前に、一つ確認しておかないといけないことがあります。私はそのためにしばらくこの部屋から出ますが、すぐに戻りますので、皆さんはこのままこの部屋にいらっしゃってください」

 そう言って俺は一同を背にして、ドアへ向かった。

「ねえ、お兄ちゃん、これ、なあに?」

 優子は俺のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ。俺は振り返り、優子を見て驚いた。部屋の片隅、大人なら視界に入らないはずの低い位置にあるコンセントに差し込まれていた時限爆弾が、コンセントから抜かれ、優子の手に乗せられていた。この時限爆弾はコンセントに差し込まれていないと作動しない。

「優子! コンセントは危ないから触っちゃダメって言ってるでしょ!」

 京子が優子を叱りつけ、優子は俺に駆け寄ってきて俺の後ろに隠れた。

「お兄ちゃん、ママが怖い~」

 優子は俺の足にしがみついた。俺はただ呆然としていた。

「優子! 先生はやることがあるんだから邪魔しちゃいけません!」

 たしなめる母親に向かって、優子は言った。

「お兄ちゃん優しいもん。昨日の夜中だって、私がトイレに行った時、お兄ちゃん、パパの部屋まで飲み物持って行ってあげてたの、私見てたんだよ。ね、優しいでしょ?」



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作者より
初めて、無い知恵を振り絞って(笑)ミステリーもどきを書いてみました。
あくまで「もどき」です。ツッコミどころ満載なのは作者自身がよく分かっています。
私の作品の中で初めて恋愛要素がない作品でもあります。
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~ Comment ~

探偵は

冒頭の謎解きあるあるから始まって、最後のオチ。
目撃者に好かれていたとは、憐れな、でも自業自得な犯人ですね。
優子のお母さんは、どんな顔をしたんだろう、
犯人はどんな顔をしたんだろう、
想像しただけでニヤっとしますね!
面白かったです。

TAKU様

探偵=犯人で何か書けないかと思って
ない知恵を絞って書いたのがこの作品です。
優子の母親は、探偵は、どんな顔をしていたんでしょうね。
探偵は顔面蒼白という気もします。
面白かったと言っていただけてとても嬉しいです。



凄いですね。

Sha-Laさんは、こういう、お話も書かれるんだなあと思いながら読ませて頂きました。
凄くまとまっていて、読みやすくて、面白かったです。こんな風にまとめられるのは私からしたら凄いって思います。
そして、まだまだ読ませて頂いていないものがあるので、また順番に読ませて頂きますね。

愛理様

ありがとうございます!
こういうお話「も」というか、こういうお話はこれだけなんですが
こういうのをたくさん書くことができればいいなあと思います。
お褒めいただけてとても嬉しいです。ヾ(≧∇≦*)ノ
また、ゆっくりいつでも遊びに来てくださいね。
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