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 ←孤独なマジシャン 第3話 「檻の中」 →孤独なマジシャン 第5話 「初めての夜」
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「★短編集11~30話までの作品(完結)」
孤独なマジシャン 現代ファンタジー (全28話完結)

孤独なマジシャン 第4話 「行方」

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 星魔が部屋を出ていき、私は恐る恐る奥の扉を開いてみた。
 確かに言われたとおり、広くはないが、左にバス・右にトイレ・そして正面に洗面所がそれぞれ並んでいた。
 私は今までに星魔に言われた言葉を思い出してみた。

「主人に懐かないペットよりは、主人に懐くペットの方が可愛がられるかもしれませんね」
「私に懐こうとしないので、3日ほど水しか与えていません」
「あなたの方が私に懐きそうなのであなたを飼うことにしました」
「私に妙な反抗心など起こさない限り、3日も餌を与えないなんてことはしません」

 そして、消えた人間そっくりの人形。突然死んだ懐かない猫……。

 私は彼のペットも同然なのだろうか。下手に逆らうと何をされるか分からない。――存在そのものを消されるかもしれない。

 これからどうなるのか。何をされるのか。ただただ不安だった。
 
 部屋のノックの音がし、私は驚いて振り返った。

 星魔だった。片手にトレイを持っている。

「昨夜から何も食べていらっしゃらないでしょう。簡単なものですが」

 星魔は檻の鍵を開けて入ってきた。

「毒や薬など入っていませんから、安心してお召し上がりください」

 食欲はなかったが、いざという時のために体力はつけておかなければいけないと思い、食べた。テーブルがないのでベッドの上での食事。それを星魔はただ眺めていた。

「ごちそうさまでした……」

 私は空になった食器を星魔に返した。星魔は軽く微笑むとその食器を持って檻の中から出ようとした。

「あの……。消えた人形や猫の死体はどこへ行ったの?」

 檻から出ようとした星魔に私は問いかけた。

「さあ? 手品は種を明かすと面白くなくなりますからね」

 星魔は私に背を向けたまま答えた。

「手品なんかじゃないんでしょう!?」

 星魔が振り返った。

「消えたんですよ」
「だからどこへ!?」

 星魔はふっと私に微笑んだ。

「――私は生まれた時からこういう能力があったようで……」

 片手で支えていたトレイが星魔の手から離れ、宙に浮いた。思わず息を飲む。

「両親はそれを必死で隠そうとしていたようなのですが、子どもの私にはなぜ隠さないといけないのか分からず、物心ついた頃にはいつもこうやって遊んでいました」

 宙に浮いたトレイの上の食器も宙を舞う。まるでダンスでもしているかのように。

「特に父はひどくそれを嫌い、こうやって遊んでいる私をいつも殴りつけました。しかし、ある時、私をかばおうとした母が代わりに殴られました。その時、私は、こんな父親消えてしまえばいいのにと思いました。その瞬間父の姿は消え……それ以来見たことはありません。どこに消えたのかは私にも分かりません」

 星魔の話し方は、寂しそうでもなく悲しそうでもなく、他人事のようだった。

「猫が死んだのは……?」

「姿を消すだけでなく、私が望むことは全て叶うようで。子供の頃、私の近所のいじめっ子が行方不明になったり死亡したりする事件が多発しました。それも次第に自分でコントロールできるようになりましたが。警察も捜査しましたが、何も分かりませんでした。――それとも、あなたご自身で、消えたらどこに行くのか試してみますか?」

 星魔の冷ややかな瞳が私を捉えた。

「いやっ! やめて!」

 得体の知れない恐怖に怯えた私に星魔は口元だけ微笑みをたたえ、何も答えずトレイを片手に乗せて部屋から出て行った。




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一応、コメント1件もしくは拍手2つ以上が付いたら、
「読んでもらったもの」と判断して続きをアップします。
なので拍手でいいので、拍手下さい(笑)

作者より
まだまだ続く緊張感。
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~ Comment ~

NoTitle

報告遅れましたが、リンクさせて頂きました。
たくさんのコメントありがとうございます。
返信に代え、こちらに書き込む無礼をお許し下さいm(__)m

「孤独なマジシャン」一通り拝読しました。
とても好きな雰囲気です。
文章がお洒落で、何より内容に引き込まれました。
続きを楽しみにしております。

ばにら様

リンク&コメントありがとうございます!

また、「孤独なマジシャン」お読みいただき
ありがとうございます!

他の作品を連載している時と比べて、反応が微妙に薄いので、
え?あれ?面白くない?って心配していたのですが、
内容に引き込まれたとのこと、とても嬉しいお言葉です!
「最後まで一歩先が分からないストーリー」を目指します!
ってあんまり大きなことは言わない方がいいですね(笑)
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