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 ←美理衣&ルーゼン 第8章 指輪 2 →2013.10.26 正直、弱気
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「★短編集11~30話までの作品(完結)」
孤独なマジシャン 現代ファンタジー (全28話完結)

孤独なマジシャン 第7話 「逃亡」

 ←美理衣&ルーゼン 第8章 指輪 2 →2013.10.26 正直、弱気
 しばらくしてノックの音が聞こえ、いつもの黒いスーツ姿の星魔と後ろに誰か女性が一人部屋に入ってきた。
 星魔が檻の鍵を開け、女性を先に中に入れた。――息が止まった。その女性は「私」だった。

「猫の三枝桃花さんの代わりに会社に行ってもらっている人間の三枝桃花さんです。……まあ、人間といっても人形ですが」

 これが人形!? 私の服を着て、私と同じメイクをして、今までの私と同じように無表情。それは私そのものだった。

「――桃花さん」

 星魔が人形の私の耳元で私の名を呼び、彼女にキスをした。彼女も自発的に星魔の首に腕を回し、それに応えた。
 私の目の前で二人は深く唇を合わせあった。私は、見ていて何か気持ち悪さを感じた。星魔の方からそっと唇を離した。

「私の言うことをよく聞く桃花さんがいれば、もう、猫など必要ありませんね」

 その一言に私の背筋が凍りついた。

「いや……待って……」

 辛うじて出した言葉は人間の言葉にはならなかった。
 星魔がくすっと笑った。

「冗談ですよ。自分で作った人形を抱いたところで、性欲は満たされても心は満たされません。それなら、猫のあなたにもたれられて眠った方がいい」

 星魔はベッドの上から私を抱き上げ床に降ろし、軽く頭を撫でた。星魔が私の頭から手を離すと、私は人間に戻っていた。

「桃花2号さん、着替えを」

 人形の桃花は頷き、部屋からいったん出ると、両手に紙袋を持って入ってきた。

「桃花さんのお部屋にあった洋服や身の回り品と新しく買ったものです。桃花2号さんの分の服も必要ですからね。さすがに女性服や下着のサイズは私には分かりませんので、桃花2号さんに買ってきてもらいました」

 そう言って星魔はベッドとは逆の檻に手を触れた。そこに突如クローゼットが現れ、驚いた。

「狭くなってしまいますが。まあ、適当にお使いください。後で朝食を用意します」

 紙袋2つを残して、星魔と「私」は部屋を去った。

 朝食を運んできたのは「私」だった。
 この「私」は喋るのだろうか。

「あの……星魔さんは?」
「お食事中です」

 声には違和感があった。録音した自分の声を聞いた時の違和感だ。

「あなたは誰なんですか?」
「私は三枝桃花です」

 そうだ。彼女は三枝桃花だ。三枝桃花として会社へ行き、生活している。じゃあ、私は一体誰?
 私がこの家で死んでも消えても、彼女がいる限り何の事件にもならない。――ここにいる私は存在していないことになっている?
 そう思うと急に怖くなった。

 今、朝食を運んできた「私」は檻の中にいる。つまり、檻の鍵は開いているはずだ。
 私は「私」を押しのけ、檻の扉を開き、部屋の外に出た。
 左右を見渡す。一番向こうにある扉が玄関だ。私は玄関を目掛けて駆け出した。

 あと一歩で玄関の扉というところで、見えない壁にぶち当たった。小鳥が窓ガラスにぶつかるように。




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一応、コメント1件もしくは拍手2つ以上が付いたら、
「読んでもらったもの」と判断して続きをアップします。
なので拍手でいいので、拍手下さい(笑)

作者より
まだまだ続く緊張感。←前にも書いた。
自分のコピーロボット欲しいなあ…。
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~ Comment ~

NoTitle

おはようございます〜♪
今、ここまで読みました。
とても面白いですね。
文章も本格的で驚いています。
おまけに読みやすいです。
また、後で続きを読みたいと思います。

勘太様

こんにちは!
ご訪問&コメントをありがとうございました!
一気にたくさんお読みいただいて嬉しいですヾ(*´∀`*)ノ
読みやすいですか?良かったです。ありがとうございます。
また、お時間のあるときに続きをお読みいただけると嬉しいです♪
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