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「★短編集3~10話までの作品(完結)」
キンセイから来た人(SFラブコメ) (全10話完結)

キンセイから来た人 第3話(ラブコメ・ファンタジー・全10話予定)

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「ここがスーパーで……」

(周囲の視線が……)

 エフィムの日本では見慣れない金色の美しい髪に人形のように端正な顔はどこに行っても注目の的だった。特に休日の夕方のスーパーマーケットは子ども連れや家族連れが多く、人々は物珍しげに私たちをじろじろと見る。

「なるほど。ここは日用品などを買うマーケットであるのだな」

 エフィムは興味深そうにスーパーの商品を手に取って見て歩いていた。庶民の日常の場にエフィムの存在は浮いて見えるが、商品を手に取る姿も様になる。

(なんで私なんかがこんな綺麗な人の隣にいるんだろうって思っている人も多いんだろうな)

 いたたまれなくなって、私はエフィムから数歩離れて歩き始めた。

「暁美。どこに行くのだ。そなたは私から離れてはいけない」

 目ざとく気づいたエフィムが私の手を捕らえて私を引き寄せた。そして、そのまま私の手の甲にキスをした。

(キャーーーーーーーーーッ!)
 
その行為自体と、周囲からの視線とで私は真っ赤になるのを感じた。

「暁美。そなたは私のことが嫌いか?」

 トパーズ色の瞳にのぞきこまれ、胸が高鳴った。言葉が出ず、ただ無言で首を横に振る。

「ならば、私の願いは2つだ。1つ目は、私と一緒にいる時は私のそばから離れないでいてほしい」
「はい……」

 私がうなずくと、エフィムは微笑み、片手で私の手を取ったまま、もう片方の手で私の髪を優しく撫でた。

(だから、こんなスーパーの中でやめてーーーーーーーーーーーっ!)

 心の中では叫び声を上げるものの、やはり言葉にはならない。

「もうひとつの願いは――」
「はい……」
「このマーケットの中の物を全て買ってほしい。調査する」
「…………はい?」

 全部お買い上げ、というわけにもいかず、エフィムと財布に相談しつつ、エフィムが興味を持ったものを買った。

 スーパーから外に出ると、もう日が傾きかけていた。今の季節、昼間はまだ暑くても、日が沈むともう肌寒い。
 ふわり。ふと、何かが私の頬を撫でた。

「あ……」

 ずっとエフィムの肩に覆いかぶさっていたストールが私の肩に掛けられたことに気づいた。何の素材なのか分からなかったが、それは絹のようになめらかで薄いのに、羽毛のように暖かかった。

「ありがとう……ございます」
「よい。次はどこを案内してくれるのか」

(まだ行くのか……)

 駅前から始まり、あちこち回って、スーパーの荷物も多い。周囲の視線も面倒だ。
 だが、ふと、ある場所を思いついた。

「じゃあ、公園へ」

 この街には桜並木が地元では有名な公園がある。私たちはそこへ向かった。
 この季節には桜は咲いていないが、色づきかけた葉が沈む夕陽に照らされて美しかった。

「おお。これはまたなんとも美しい場所だ……」

 エフィムと私はベンチに並んで腰を下ろし、荷物も両脇に置いて、視界に広がる赤や黄色の桜の葉を眺めた。

「美しい……」

 そう言ってエフィムは私の方にその端正な顔を向けた。エフィムの金色の髪が夕陽にキラキラと光る。その美しさに心臓が今にも爆発しそうなほどドキドキした。

「あ、あのっ! 今はこんな色なんですけど、春には桜が咲いて一面が淡いピンク色に染まってもっと綺麗なんです」
「淡いピンク色……。暁美の唇のような色か」

 エフィムは私の顔に手を伸ばして頬を撫で、親指でそっと私の唇をなぞった。ドキンッと心臓が飛び跳ねる。だがエフィムの視線はそのまま太陽の沈む方角へ移った。

「我が祖国――」

 エフィムの視線の先を追うと、空には宵の明星・金星が輝いていた。



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作者より
ちょっと長くなってしまいました。
金色ということで銀杏並木と迷ったんですが、
口説かせたくて、桜並木にしました(笑)
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