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 ←キンセイから来た人 第9話(ラブコメ・ファンタジー・全10話予定) →神崎司 Episode 0 第1話(霊の見える俺様系物語)
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「★短編集3~10話までの作品(完結)」
キンセイから来た人(SFラブコメ) (全10話完結)

キンセイから来た人 第10話(ラブコメ・ファンタジー・最終話)

 ←キンセイから来た人 第9話(ラブコメ・ファンタジー・全10話予定) →神崎司 Episode 0 第1話(霊の見える俺様系物語)
 夕方になり、マカルが部屋から出てきた。

「我々はまもなく帰るが、陛下は昨日行かれた公園とやらにもう一度行きたいとおっしゃっている。暁美殿、ご同行願いたい」
「あ……はい」
「それから暁美殿」

 マカルは神妙な面持ちで話を続けた。

「貴殿は陛下のストールを2度も身につけておられたようだ。昨日の外出時と今朝貴殿の布団の上にかけてあった。あれはキンセイにおいて古代から王家に伝わる貴重な品。あれに触れることができるのは王家の者のみ」
「ごめんなさい、そんな大切なものなんて知らなくて」

(そもそもストールをかけたのはエフィムの方だし……)

「国王陛下がストールを他の女性にかけるのは、求婚の時のみとされる」
「きゅう……!?」

(求婚――!?)

 そんな意味があるとは知らず、私は驚いた。

「陛下がどなたに求婚しようと、私も皆も歓迎するであろう。だが、暁美殿。あなたが陛下の運命の人であろうとも、陛下のご求婚を受け入れる覚悟がなければ、ストールを受け取らないでいただきたい」

 陛下の求婚を受け入れる覚悟……。
 エフィムはとても素敵な人だけれど、まだ出会って2日目だ。結婚なんて頭にはなかった。私はただ頷くことしかできなかった。

 その後、エフィムとマカルと共に、昨日の公園へ行った。

「どうだ、マカル。美しい場所であろう」
「まさに。さようでございますね、陛下」

 二人は黄色や赤色やオレンジ色に染まった桜並木に魅入っていた。

「春にはピンク色の花が美しいらしい。また来るのでその時も案内せよ、暁美」

 エフィムが私を見つめて微笑んだ。

「はい……」

(この人たちはもう今日帰るんだ……)

 今になって寂しさがこみ上げてきた。知り合って2日しか経っていないのに。どうしてこんなに寂しいのだろう。

(本当に春にも来てくれるのかしら……)

 もう2度とエフィムに会えない気がして悲しくなり、涙が溢れてきた。それに気づかれないよう私はそっと横を向いて涙を拭った。

「どうした、暁美」

 エフィムは見逃さず、涙があふれる私の瞳にそっとキスをした。唇が温かかった。

「暁美。これを」

 エフィムがストールを私の肩にかけた。ふわりと暖かくなる。

「陛下! そのような軽々しい真似はお控えいただくようにと申し上げたはずですが!」
「私の想いは軽々しいものではない! 暁美と出会って、私の気持ちはより強くなった!」

 マカルを叱り飛ばし、エフィムはそっと私を抱きしめた。

「また、必ずこのストールを返してもらいに来る。それまで暁美が大切に持っていて欲しい」
「でも、これ、大切なものなんでしょう?」
「大切だ。そなたと同じくらい大切だ。これはまた会った時に返してもらおう」

 金色の髪とトパーズ色の瞳で覗き込まれ胸がドキッとした。

(この人と離れたくない……!)

「本当にまた会いに来てくれますか」
「無論だ」

 そう言って強く私を抱きしめた後、エフィムはその腕を解いた。

「船がやってくる――」
「船……?」

 港もないのにどうやってくるんだろう。私はエフィムの視線を追いかけた。宵の明星・金星が輝いている。…………? いや、あれは金星ではないのか。動いているように見える。飛行機だろうか。
 そう思っている間にもその光は大きくなり、こちらに向かってくるような気がした。
 目の前に閃光が煌き、その眩さに私は思わず瞳を閉じた。瞳を開けた時、そこにはメタリックゴールドの楕円形の大きな物体があった。

「何……これ……」
「我々の船だ」

 エフィムはそう言うと少し前かがみになり、私の唇に自分の唇をそっと重ねた。

「暁美。いつか迎えに来る。よいな?」

(ああ、この瞳……)

 トパーズ色の瞳に囚われると、私に拒否権などなくなってしまう。

「はい……」

 エフィムは微笑み、マカルと共にその楕円形の物体に乗り込んだ。
 その物体は音もなく宙に浮き、そして、金星のある方向へと飛んでいってしまった。
 そういえば初めて私の家に来たとき、マカルが「キンセイの方から来た」と言っていた。あれはまさか本当に「金星」のことだったのか。

(また会えるよね……エフィム)

 金星を見つめながら、私は心の中で問いかけた。肩のストールの温かさは、まるでエフィムが抱きしめてくれているような感覚だった。




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作者より
キリ番リクエスト最終話です。(最終話だけ妙に長くなりましたね)
異星人のストーリーは、この他には1作しか書いたことがなかったので
しかも、失敗作だったので、
その経験を活かして、SFというより甘いラブコメ的な感じにしてみました。
楽しんでいただければ嬉しいです。
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~ Comment ~

素敵なキリ番作品

こんばんは
キリ番2回目リクエスト作品
ありがとうございました
金星。。

あれは求婚だったんですね☆
またきっと いつか
会えて
などと想像しています
今回10話 長く書いて頂いて
さらに嬉しかったです
金星に帰っちゃうと
さみしいですね~
イケメン様~

リラ様

こんにちは。
こちらこそ、早速お読みいただいて、コメントも書いてくださって
とても嬉しかったです。
リラ様のリクエストされた「イケメンの金星人」という言葉を元に
我ながら素敵なお話ができたかなーと思っています。

また、きっと、桜が咲く頃には戻ってくると思います。
星をまたいだ遠距離恋愛です(笑)

最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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