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★読切!(ショートショート・短編) 高校生の恋愛・大人の恋愛・ ファンタジー等

読切?Win-Win恋愛ごっこ(中学生編)

 ←デス・フィアンセ~死神の婚約者 第19話 →デス・フィアンセ~死神の婚約者 第20話
 中学で女子生徒に大人気の前原海斗は、私の幼馴染だ。
「クールなところが素敵!」と評判が高いが、海斗は決して彼女を作らない。
 いや、作れないと言ったほうが正しいだろうか。
 端正すぎる彫りの深い顔の海斗は、幼稚園の頃、「女の子みたい」と女児たちからいじめられ、それ以降女性恐怖症になってしまったのだ。
 小学校に入るといじめはなくなったが、今度はませた女の子たちの手のひらを返すような態度に海斗の女嫌いはますます強くなり、私も海斗と話す機会は少なくなった。
 あの日までは――

 中学の卒業式の時だった。私は中学で初めてできた彼氏の三田隆行の姿を探していた。
 第2ボタンも欲しかったし、別々の高校なのでこれからのことを沢山話がしたかったからだ。
 体育館裏に隆行と男友達数人が一緒にいるのを見つけ、隆行に声をかけようとしたとき。

「隆行。あの葵ちゃんって子どうすんの。高校違うんだろ」

 隆行の友人の口から私の名前が出てきて、私は思わず体育館の影の部分に隠れた。

「あー。あいつな。一応続けていくつもり。役に立たないけどな」
「マジで役に立たなかったよな」
「前原海斗と幼馴染っていうから、葵に前原を遊びに連れてきてもらって、前原のこと好きな女も集めて、前原にフラレた女を俺たちがもらうつもりだったのに。葵のやつ、前原を誘おうともしないし」

 そう言われて思い出した。隆行は二人きりのデートよりもいつも「前原も混ぜてグループで遊びに行こう」と私を誘っていた。海斗がその気にならないのは分かっていたので海斗を誘ったことはなかったが。
 きっと隆行は二人きりのデートだと恥ずかしいシャイな性格なんだと私は思い込んでいた。なのに……。

「葵ちゃんが前原を誘わなかったのは実は葵ちゃん前原のことが好きだからだったりして」
「それはないだろ。俺が葵と付き合ってやってるんだから。そもそも葵程度の女、俺が拾ってやるくらいしか彼氏なんてできないだろ。前原が葵なんかを相手にするはずがない」
「そりゃそうだよな」

 笑い声が響く中、私は手をぎゅっと握り締めた。涙が出てきそうになるのをこらえて、隆行たちに背を向けた瞬間。

「きゃっ!」

 私のすぐ後ろには人が立っていたらしく、私はその人の胸板に頭をぶつけてしまった。

「……海斗!?」
「あんな奴にダシに使われてそのまま泣いて逃げる気かよ。バカが」

 見上げると海斗は呆れたようにその端正な顔で私の顔を覗き込んでいた。 

「だって……」
「来いよ」

 海斗は私の肩を抱き寄せ、そのまま隆行の方へ向いた。

「何!?」
「いいから黙って、うんって返事しろ」
「黙ったら、うんって返事できないんじゃ……」
「ぐだぐだうるさい」

 そんな会話をしながら歩き出すと、隆行たちが私たちに気づいた。

「葵……! 今の話、聞いて……?」
「何の話?」

 割り込むようにして、海斗が問い返した。真横にいる海斗を見上げると、海斗はふわりと私に笑った。

「ごめん、悪いんだけど、葵はもう返してもらうから」
「返す?」
「そう。本当は俺たち付き合っているんだよね。葵がきみをふるのは可哀想って言うから我慢してたけど、元々葵の本命は僕だから。ね? 葵」

 海斗が口元に笑みを浮かべて私の顔を覗き込んだが、私は一体海斗が何を言っているのか全く分からなかった。しかも海斗って「僕」って言ってたっけ?

「葵。ほら、返事」
「あ……! う、うん……」

 海斗は口元では微笑んでいるが目が笑っていない。よく分からないままさっき言われたとおり、うんと答えた。

「まあ、葵の気持ちも分かるけど。きみ、葵が拾ってあげるくらいしか彼女できなさそうだし。ま、高校で頑張ってね」

 海斗はそう言い残し、私を連れてその場を去った。

「……ありがと。私のことかばってくれて」
「別に。子どもの頃、俺がいじめられていた時にかばってくれた借りを返しただけだから」
「ああ……」

 なんとなく黙って二人で帰途に着く。家は同じ方向だ。

「葵。借りを返したところで、協定結ばないか?」

 ふと海斗がポツリと言った。

「協定?」
「俺は特定の彼女を持つ気は全くない。高校でも勉強だけに集中したい。だから俺の彼女のフリをして、俺に他の女子たちが近づかないようにして欲しい。代わりに葵はさっきみたいな連中を見返すことができる。どっちにとっても不利のないwin-win協定だと思わないか?」

 隆行とは「ずっと好きだった」と告白されて、嬉しくて付き合い始めた。でもそれは全部嘘だったんだ……。改めて涙がこぼれてくる。

「いいよ――その協定結ぼう」

 そして、私は海斗の「彼女」役を演じることになった――。



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一応、コメント1件もしくは拍手2つ以上が付いたら、
「読んでもらったもの」と判断して更新します。
なので拍手でいいので、拍手下さい(笑)

作者より
読み切りと言いつつ、シリーズになってしまっています。
なかなか好きなシリーズです。

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~ Comment ~

NoTitle

こんにちは。マルオです。
なるほど、ふたりの馴れ初め?はこんな感じだったんですね。
私もこのシリーズはなかなか面白くて好きです。
ちょっと毒のある所が、このふたりはどうなっていくのだろう?と展開が楽しみです!

マルオ様

こんにちは。いつもコメントありがとうございます!
幼稚園児時代は、「女の子に泣かされる海斗と女の子集団から孤立しても海斗をかばう葵」
というような設定があったりします。またその辺も書けるといいな。
気に入ってくださって、嬉しいです!
また、ちょくちょくと書きたいと思います。

コメントありがとうございました。
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